経済の活力と環境のよさの両立をめざす動きが日本の
都市で広がってきた。
「サステナブル(持続可能な)都市」と呼ばれ
本場欧州では、環境や財政の悪化で後世にツケを回すことが
ないような地域づくりに取り組む都市が増えている。
日本経済新聞社の調査をもとに国内の実態を分析した。
調査は、10月に実施。全国782市に調査票を郵送し
460市から回答を得た。
一部データは独自に収集
「環境」「経済・財政」「暮らし」で計71の指標を選び偏差値を算出
3分野の平均値を総合評価とした。
【サステナブル総合評価】
1位 三鷹(東京)
2位 武蔵野市(東京)
3位 戸田(埼玉)
4位 浦安(千葉)
5位 豊田(愛知)
【環境保全度】
1位 三鷹(東京)
2位 横浜(神奈川)
3位 仙台(宮城)
4位 京都(京都)
5位 戸田(埼玉)
【経済・財政】
1位 武蔵野(東京)
2位 刈谷(愛知)
3位 戸田(埼玉)
4位 豊田(愛知)
5位 北名古屋(愛知)
7位 御前崎(静岡)
【暮らし】
1位 高山(岐阜)
2位 輪島(石川)
3位 富山(富山)
3位 大町(長野)
5位 平戸(長崎)
(日本経済新聞 2007.12.17 朝刊28面)
「環境」部門では、
財政力を背景に環境政策に取り組み易いこともあり
上位10位は大都市圏の都市や政令指定都市が占めた
2004年に全国の自治体に先駆けて「温暖化条例」を制定したのは京都市
大企業に二酸化炭素削減計画の策定と達成状況の報告を義務づけた。
市自身も削減に努力
ゴミ収集車と市営バスのディーゼル燃料に市民から回収した使用済み
天ぷら油を使用している。
こうした対策で市全体の二酸化炭素排出量は京都議定書で基準年度と定めた
90年度より1.6%減った。
「経済・財政」部門では、
大都市圏の都市が目立ち
特に上位10位のうち7都市を愛知県で占めた。
一方、福祉・医療・安全などの評価した「暮らし」部門では
公共施設などが充実した地方都市が主に上位にきた。
偏差値が3部門とも50を上回ったのは
東京都武蔵野市、愛知県田原市など29市にとどまった。