現在、日本ではジャガイモの芽止めだけに許可されている
食品照射。
世界的には農薬などに代わる新たな殺菌・殺虫方法として
照射を採用する国が増えている。
すでに、ドイツ・フランス・米国・豪州など約30カ国で
実用化され、照射された食品が流通している。
こうした世界的な広がりに関心を寄せる内閣府・原子力委員会は
食品照射の利用拡大と消費者の理解を求めるため
食品照射専門部会(座長・多田幹郎中国学園大学教授、委員10人)
で専門家や消費者の意見を聞きながら
今後の方向性を議論してきた。
現在、7回の会合を終え、報告書の作成に入っている。
(毎日 2006.6.21 朝刊13面)
食品照射
食品の殺菌、殺虫、発芽防止などを目的にコバルト60などを使って
ガンマ線などの放射線を当てる。
国内ではジャガイモの芽止めだけに用いられているが、
世界約50カ国が香辛料、冷凍肉
冷凍えび、にんにくなどに対する照射を許可している。
FAO(国連食糧農業機関)とWHOで組織する
国際食品規格委員会は83年「10キログレイ以下の照射なら毒性学的
な危険性はない」と結論づけ
03年には「必要に応じて10キログレイ以上も認める」
との判断し示した。